暑い夏は、食欲がなくなり、冷たい麵が食べたくなります。
でも、そうめんやざる蕎麦ばかりだと、やがて飽きてしまいますよね・・・ そして、何と言ってもタンパク質不足になりやすく、夏を乗り切ることができません。
そんな時は、いろいろな具を載せられる韓国風の水冷麺(한국식 물냉면)がおすすめです。
でも、韓国風の水冷麺といっても、最近は星の数ほど売られていて、どれを選べばよいか迷われる方も多いと思います。
だけど、このページの材料を選んで自分で調理すれば大丈夫。本場韓国の味が堪能できて、食感は日本人好み、しかも激安、何よりもタンパク質をきちんととれる水冷麺を楽しむことができます。
農業技術者歴31年、韓国語能力試験6級(最高級)、訪韓歴20回を超える管理人が、解説します。
おいしくてコスパが良い韓国水冷麺や、スープ(ユッス육수)選びに悩まれている方は必見です。
- 材料は、業務スーパーの「韓国冷麺の麺」、「韓国冷麺のスープ」がよい
- 冷麺は麺のゆで方がコツで、「業務スーパー」の冷麺の場合、本来の麺の食感を味わいたいのならば、ゆで時間1分、そうめんに近い食感にするには2分とする
- 材料のすべてを業務スーパーで入手することで、焼き豚主体の具で400円程度、海鮮主体の具で600円程度と、コスパに優れる韓国冷麺を作ることができる
- タンパク質が必要な18~64歳男子であっても、「節約型」冷麺であっても55%程度、「ヘルシー型」冷麺では85%程度の1日当たり推奨摂取たんぱく質を韓国冷麺1食で賄うことができる
材料の調達
今回紹介したレシピは、いずれも「業務スーパー」で入手可能です。特に、麵とスープは、業務スーパーでなければ入手できないと思います。
冷麺の麺とスープ
私は、ここ2年くらいは、業務スーパーで売られている「韓国冷麺の麺」、「韓国冷麺のスープ」を使うようにしています(上写真、下リンク)。
いずれも1袋に3人分入っていますので、残念ながら一人暮らしの方にはちょっと不向きです。
それ以外は、値段はもちろん、調理方法や食感が日本人の感性にも合っています。
理由は、「韓国冷麺の麺」はそうめんと同じくらいの麺の太さなので、そうめん同様の感覚で調理すればいいためです。また、「韓国冷麺のスープ」も、牛骨だしのコクと酸味が絶妙なハーモニーであり、しかも希釈する必要がないのもポイントが高いです。
野菜類
管理人宅では、以下の3種を必ず入れています。ほかにお好みでキムチを入れるといいです。なお、以下はすべて3人前の材料です。
- キュウリ:200グラム(標準的な大きさのもの2本が目安)
- トマト:200グラム(L~2Lサイズ1個が目安)
- ダイコン:300グラム(1本の1/3~1/4本が目安)
以上で紹介した野菜は、その日のうちに調理して食べきるのであれば、見切り品で十分です。
たんぱく源
冷麺と言えば、ゆで卵がつきものです。1人当たり1個準備しましょう。
これではたんぱく質が足りないので、肉か魚を加えるようにしましょう。ちなみに、管理人宅では、家計の状況で以下を使い分けています(いずれも3人前)。
- コスパ重視:焼き豚200グラム(味が薄めで脂肪分が少ないものを選ぶ)
- ヘルシーさ重視:刺身用の魚を計300グラム(タイ、サーモン、イカそうめんなどを使用)
以上で紹介したたんぱく源は、その日のうちに調理して食べきるのであれば、見切り品で十分です。
作り方(コツも含めて紹介)
以下の調理方法は、すべて3人分を作る場合を記しています。供食人数が大きく変わる場合は、調節が必要です。
スープを冷蔵庫に入れる
「今日は冷麺を食べる」と決意したら、あらかじめ用意した「韓国冷麺のスープ」を冷蔵庫に入れましょう。スープを常温で保管している場合の冷蔵時間の目安は3時間です。
また、急ぐ場合は、冷凍室に入れる手もあります。家庭用冷蔵庫の場合、設定がマイナス18℃であっても、2時間くらいは凍らないことを確認しています。
野菜を切ってあえる
キュウリとダイコンは、適当な大きさに切り、適量の塩をふりかけて軽く揉んで塩を抜きます。ここからは好みですが、管理人宅では、揉んだキュウリとダイコンには味の素少量を振りかけています。そのうえ、ダイコンには小さじ1杯のごま油、キュウリには1つまみのキムチ用唐辛子粉(商品例は下リンク、ただし業務スーパーでは手に入らない)を振りかけます。
※食中毒防止の観点から、必ず手を洗ってから揉みましょう。
麵をゆでて皿に盛る
3人分であれば、3リットル以上のお湯を深鍋で沸かし、沸騰したら、「韓国冷麺の麺」を入れます。この時、冷麺の袋には乾燥剤が入っているので、間違えて一緒に入れないように注意します。
「韓国冷麺の麺」の袋には、1分間ゆでるように書かれています。本場韓国の味を楽しみたいのであれば、ゆで時間は1分でよいです。
でも、ゆで時間1分の場合、小さなお子様や高齢者の方には少々固めに感じられると思います。その場合、ゆで時間を2分にすることで、ほぼそうめん並みの硬さになります。
ざるにあげて、冷水でぬめりをとり、しっかりと水を切ります。やり方は、以下の動画の2分55秒~を参考にしてください。
ぬめりを取って水を切った冷麺は、直ちにざるから出して器(どんぶり等)に盛りつけます。ざるにいつまでも置いておくと、麺同士がくっついて後で取り出しにくくなります。
ゆで卵を作る
以上の作業の合間にゆで卵を作っておきます。普通の硬ゆで卵でOKです。
たんぱく源(肉または魚)を切る
肉や魚を食べやすい大きさに切ります。食中毒等防止の観点から、念のために野菜や麺を先に素手で扱い、肉や魚は最後に扱いましょう。
野菜、たんぱく源、ゆで卵を麵の上に乗せる
ここでトマトを適当な大きさに切り、そのまま載せます。
次に、事前にあえておいたキュウリとダイコンを載せます。
肉や魚などのたんぱく源を、トマト、キュウリ、ダイコンの間に配置します。
最後に、ゆで卵を包丁で二つに切り、麺の中央に載せます。
以上が終わったら、そのままスープをかけて食べてもよいのですが、1~2時間冷蔵庫に入れておくとさらに冷たくておいしいです。
盛り付けた冷麺を冷蔵庫に入れる場合は、乾燥防止と冷蔵庫内の雑菌混入防止の観点から、必ずラップをかけておきます。
冷蔵庫からスープを出してどんぶりに注ぐ
食べる直前に、冷蔵庫からスープを出して麺や具が入ったどんぶりに注ぎます。
完成
写真は、野菜3種(キュウリ、ダイコン、トマト)、ゆで卵、たんぱく源(タイ刺身、サーモン刺身、イカそうめん)、白菜キムチを入れています。
お好みで、キムチ、コチュジャン、ねりがらし等を入れて食べましょう。
味の評価
調理者の評価は客観性がありませんので(笑)、食べた人の評価だけを記しておきます。
- 冷やし中華が好きで、韓国冷麺は食感がゴムみたいで好きになれない。でも、これなら冷やし中華感覚で食べられる。個人の好みとしては、魚もいいがハムでも食べてみたい(50代・女性)。
- 残業して帰って来たので、何を食べてもおいしい。欲を言えば運動した後に食べたい。スープの一部を凍らせてかき氷機で粉々にしたものがふりかけてあれば100点満点だ(20代・男性)。
自作冷麺のコスパとタンパク質摂取量を試算してみた
1食当たりのコスト試算
材料の購入場所や具材の種類が異なる韓国冷麺の価格を比較し、上表にまとめました。なお、一般スーパーの冷麺価格試算は、業務スーパーの冷麺に比較的特性が似ている以下の商品を使用しました。
上表からいえることは以下のとおりです。
- 業務スーパーの麺やスープを使い、焼き豚を主体とする「節約型」冷麺を作った場合、一食当たりの材料費は400円以下でよい。
- 業務スーパーの麺やスープを使っても、海産物(刺身類)を主体とした「ヘルシー」な冷麺を作った場合、一食当たりの材料費は600円程度かかる。
- 一般スーパーで材料を調達した場合の「節約型」冷麺と、業務スーパーの「ヘルシー」冷麺は、材料費がだいたい同額である。すなわち、海産物を主体とした高級感がある冷麺を家庭で作る場合は、業務スーパーに行けば一段と豪華でヘルシーな冷麺を食べることができる。
- 一般スーパーで材料を入手し、「ヘルシー」な冷麺を作った場合、材料代だけで日韓両国の標準的な外食冷麺の価格と近い値になる。
以上の結果から、業務スーパーの冷麺は、具材をふんだんに使っても、かなりリーズナブルであることが分かります。
なお、韓国のスーパーで冷麺を入手した場合、麺が4人分で900円程度、スープが1人分128円なので(下リンク参照)、「業スー」冷麺と一般冷麺の中間的な価格になると思われます。
1食当たりのタンパク質摂取量
各材料の1人当たりタンパク質含有量(カッコ内は材料重量や量目)をまとめてみました。
- 「韓国冷麺の麺」:12.6g(170グラム)
- 「韓国冷麺のスープ」:1.0g(250mL)
- ゆで卵:7.0g(1個)
- トマト:0.5g(67g)
- キュウリ:0.7g(67g)
- ダイコン:0.4g(100g)
- 焼き豚:12.9g(67g)
- タイ刺身:14.1g(67g)
- イカそうめん:9.3g(50g)
- サーモン刺身:9.8g(50g)
以上のことから、焼き豚主体の「節約型」冷麺では35.1グラム、海産物主体の「ヘルシー型」冷麺では55.3グラムのたんぱく質が摂取できることになります。
一方、たんぱく質の1日当たり推奨摂取量は、18歳~64歳の男性は一日65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は一日50gとされています。
このことから、18歳~64歳の男性の場合、「節約型」冷麺であっても55%程度、「ヘルシー型」冷麺では85%程度のたんぱく質をこれ1食で賄うことができます。
すなわち、1食で1日に取るべきタンパク質の大半を以上のレシピで賄うことができます。
参考資料
- ハンキョンジェ記事(2023.04.23付)「1杯に1万6000ウォン・・・何気に高い平壌冷麺、何故(”한 그릇에 1만6000원”…유난히 비싼 평양냉면, 왜?)」:2023.06.01閲覧
- 文部科学省「食品成分データベース」:2023.06.01閲覧